掃き溜め(笑)

掃き溜め(笑)

お父さん(笑)

養育費が振り込まれなくなったらしい。

 

俺は今年で18になった。要するにクレカを作り、その足で選挙の投票に行くことが出来るようになったということだ。ちなみに風俗も解禁された。クレカ払いって出来るのかな。 とりあえず本題に入る。養育費が振り込まれなくなったのだ。

 

俺は三人兄弟の末っ子として生まれた。とはいっても、イチヒメ、ニヒメ、サンタロウの構成なので兄弟というよりは姉妹なのだろう。ウチらの場合。

物心ついたときから我が家は四人家族だったと記憶している。俺の人生にオトウサンなる呪文めいたその言葉は存在していなかった。パパより優しいテノールで語りかけてくれる寛大な祖父の存在は揺るぎないのだが。オトウサン?日本語でおk

 

メチャメチャ端折って話すと、俺の父はパチンコに溺れ、ヤミ金に頭下げて現世での不徳を積んでいた。一方、母方のテノールおじいちゃんはその借金を肩代わりするという徳をシコシコ積むことで、我が父に地獄のコーナーで差をつけていたのだ。

しかしソレに甘えた我が父は、ひどすぎる借金(白金)を繰り返すようになってしまった。これによって地獄行きの確定した我が父は母から離婚を言い渡された。

 

そして母子家庭のもとでスクスクと育った俺は幼いながらに父の存在を暗黙のタブーとしなければならないのだと考えるようになった。

 

母と、父の記憶がある姉二人は父のクズさを、俺の悪行と重ねるように教えてくれた。

「嘘つくのやめて。"アノ人みたいで嫌。"」

「変なことしないで。"そういうところ似てほしくない。"」

記憶がない俺にそんな事言うなよってずっと思ってた。

 

 

俺は馬鹿だった。

 

 

同じ男として、父の気持ちは母や姉より分かってる気がしていた。

抜け出せない自分と苦しんでる最愛の家族にひとりで向き合うことは辛かったはず。

男の子の俺には何か特別な感情があったはず。

再婚してようが、恋人がいようが、俺のことが頭によぎる日があるはず。

だから、そんなこというなよ。お父さんだって、いい人に決まってるだろ。

 

 

 

怒られる度に、引き合いに出される度に、そんなことずっと考えてた。

  

 

 

2019年10月分の養育費が振り込まれなていなかった。

俺が18になったからだ。俺にとって唯一の愛されている証(笑)だったはずの6万は父にとって純粋な負担であったことに初めて気付かされた。お父さんは喜んでいるのだろうか。これから枷が外れるのだ。父は俺のことをどう思ってるのか。

 

もし父が俺のことを愛しているなら、いや愛されてなくてもいい。覚えていてほしい。忘れないでほしい。どうしても俺にはお父さんが悪い人だとは思えない。いつか会いたい。その時は俺が6万で風俗奢るから。