掃き溜め(笑)

掃き溜め(笑)

黒歴史(笑)

黒歴史を話そうと思う。

複数の黒歴史を抱える俺だが、中でも重いヤツを話そうと思う。

 

高1の秋まで生主をやっていたのだ。ニコニコの。

 

ニコ生自体は昔から怖いもの見たさのノリでよく視聴していたのだが、そこに憧れがあって始めたわけではない。ただ純粋に自分が面白いヤツだということをINTERNETに気づかせたかったのに近い。

だから、俺は配信を心から楽しんでいたというよりは、どこか綽々としていて、

 

「あぁ、また一人、オモシロの虜になってしまった視聴者が生まれてしまったなぁ(笑)」

 

とか思っていた。さぁ殺そうか。

俺の枠では、 

近況を話す→視聴者の米拾う→返す→話題を広げる→再度米拾う 

の繰り返しで毎度配信をしていた。

 

疑問に思われることだろう。

こんなつまんなそうな配信、誰が見んねん。

ノンノン。心配ご無用。俺は賢かった。妙に知恵があったので、自分の武器を使っていた。

 

その①

ネット知識

ニコ生を見てる大人、もとい子供はアニメが大好きだ。そしてニコニコが大好きな人種なので、ネタを絡ませた米を炊いてくる。それを拾ってやるだけで、バカみたいに有頂天になってくれる。これで枠の間ずっとアクティブでいてくれるし、「拾ってもらった」という記憶が配信から抜けることに罪悪感を抱かせる。

 

その②

現役高校生

実年齢の若さと声の若くなさがウケていた。これはマジだったので、

 

初見です@P十A六D夜長

 

みたいな米が来る度に、

 

「僕、何歳だと思いますか?(暗黒微笑)」

 

 みたいなことをやってtv;ぢgh:絵bphfsっぁd;jfピエhgvkdljflkんdvh図小エウロペうhフェンdcm買うフェイpyrwポエ入れjfmvdfウェおfprgkv,;zポペwペオrポエpろpwっぽええ;。c,mlx沿いうアズマンガダイオウノオオサカガカワイイネcフェん義h問fペイf@あl,cxkまskj度pw

 

その③

ゴミ腐女子との癒着

俺の配信には熱いファンが一人いた。腐女子。そいつは誰よりも早く俺の配信に来てたし、俺のことを応援(笑)していた。そいつの米を優先的に拾ってやることで、そいつは米をバンバン炊いてくれて枠が盛り上がるのだ。

 

俺は大事なことを言わなければいけない。

ごめんな。企画蹴って。

 

俺はなぜかその腐女子に声を気に入られていて、UTAUの自作ボーカロイドのCVを依頼された。そいつがUTAUが好きだとは米から知っていた。そしてその米を拾うために適当に、

「さすが! 知らなかった! すごい! センスいい! そうなんだ!」

とか言っていたら、そいつは俺も興味があると思ったらしい。

 

しかも、ソレは配信中に依頼された。その時の視聴者は34人。アクティブも10人くらいいた。もちろん周りの米も、

「いいじゃんw」「きいてみたいはw」「糞ボーカロイド聞きてぇw」

みたいな感じで盛り上がっていたので、断るに断れず承諾した。

 

 

配信を終えた俺は虚空に居た。空虚な暗闇に一人投げ出され、行く宛も無いまま一筋の光をただ待ち侘びる宇宙飛行士さながらに、心の七割を縦に削られていた。大変なことになってしまったと簡単に口に出すことすら憚れるような大事態に天井を見つめる。本来なら紅潮したままに配信を反芻しているはずであったが、今回は違う。視聴者の依頼に危険信号を感じる日が来るとは思ってもいなかった。視聴者は配信を盛り上げるための駒。誰かの言葉が焦燥感を煽る。耳を伝う汗が夏の暑さの仕業でないのは自分でもわかっていた。冷静な返しでウケている俺なら、こんなこと大した事無いと鼻で笑い、飄々とこなすのだろう。しかし、それは割れたもう一つの俺であって、幻影に過ぎない。こんな時、俺ならどうするんだろう。そんな馬鹿げたパラドックスが頭を駆け抜ける。その風を遮る障壁はいくつかあった。データの授受だ。

 

 

もうういいかな。疲れた。

その腐女子とやり取りすることは一線を越えた気がして、あまりに危険だと判断した俺はあることを思いついた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

俺はあることを思いついた。

 

そうと決まったら早速配信だ。

 

ええと、枠のタイトルは、「今回で配信やめます。ありがとうございました。」

 

配信開始

 

視聴者0

 

あれ?おかしいな?いつもだったら腐女子が爆速で配信に来るのに。

 

視聴者1

 

お、来たな。

 

「今回はちょっと遅かったですね!あの、早速なんですけどこれで最後です。今までありがとうございました。右も左もわからない僕にいろんなこと教えてくれて。ずっと、腐女子さんには救われてました。配信を盛り上げてくれて、フォローとかもしてくれて。ほんとにお世話になりました。腐女子さんが最初の配信に来てくれなかったら、ここまで続けてなかったと思います。申し訳ないんですが、UTAUのサンプル提供は出来なくなってしまいました。すみません。本当にありがとうございました。」

 

これはマジの本音だった。正直すごい感謝してた。いつのまにか視聴者は8人に増えていた。他の人もいるのに一人に向かって色々と喋ってしまった。あってはならないことではあったが、これで最後と思うと、そんなこと気にしていられなかった。感傷に浸りつつ話を切り上げようと画面を見た。

 

「あの、すごくいいづらいんだけど、、、私、初見やで。なんか熱く語っとったけど。正直ウケたw」

 

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配信終了